牛のクリーマ―、お魚ディッシュ、ことりの置物などWIZA(ヴィザ)社の新着は楽しいフォルムが充実しています。中でも優しそうな顔をしている小さなチーズレディはとても気になります。
職人さんの絵心によって、チーズレディの表情はそれぞれ少しずつ異なりますし、またエプロンの花柄模様もひとつずつ違います。ちなみにこの花柄のチーズレディは自由が丘店限定商品です。その写真はこちらです。ひとつひとつがとても個性的で、自分のお気に入りを見つけるととても楽しいと思います。
このチーズレディは製造元であるWIZA社ではジェピハ(Rzepicha)と呼ばれていて、ポーランド語の方言で「カブ」という意味です。あまりにも珍しい名前なので、気になって調べたところ、次のようなことがわかりました。
ジェピハという女性が実は実在していたみたいなのです。彼女はポーランドでも伝説的に有名なピャスト(Piast)という君主の妻でした。夫のピャストですが生まれながらの君主ではなく、実は貧しい家に生まれ育ち、自分の日々のご飯にも困るほどの貧乏な車大工だったのだそうです。ですが、ピャスト夫妻は困った人がいれば、一晩の宿を提供したり、自分たちにも十分に足りていないご飯を分け与えたりしました。周りの人たちは皆そんな二人の心の良さに感動し、ピャストを自分たちの君主に選びました。続いて、ピャストの息子のシェモヴィット(Siemowit)と彼の息子のレシエック(Leszek)は次々と君主になり、初めてのポーランドの王朝を築づきました。
チーズレディの話から随分それてしまいましたが、もしかするとヴィザ社のチーズレティのデザインの一部もこのピャスト王朝の伝説にインスピレーションされたものかもしれないと私は少し思いました。