イエジー・スコリモフスキ監督の来日 by 鳴川睦

ポーランド映画祭2015(11/14-11/20)が先週末土曜日から始まり、
初日には、スコリモフスキ監督の来日舞台挨拶があるとのことだったので出かけて来ました。

スコリモフスキ監督の映画は、切ないラブストーリー「アンナと過ごした4日間」(2008年)
以来好きになり、今回ご本人直々の声が聞けてとても有意義な時間を過ごしました。

写真で見る監督は、サングラスに黒い上着がギャングっぽいというか、
「悪いジジイ風」な強面なルックスがカッコイイ感じですよね(笑)。

インタビューでは、ご自身が映画に係わるようになった経緯がアンジェイ・ワイダ監督の
脚本にいちゃもんを付けたことがきっかけで映画の世界に触れ、
ワイダ監督からウッチ映画大学の入試が明日あると聞いて受けてみた・・というエピソード、
そしてご自身が作ってきた映画について語られる時には
ユーモアを交えて細やかに話され、内容も大変興味深く楽しいものでした。

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きっと至る所で質問されて、数え切れないほど話されてきたことだと思いますが、
観客に向かってつぶさに丁寧に語って下さる姿にも人柄を感じました。
挑戦し続ける姿勢というか感性の成長というのは年齢に関係の無いものだと、
改めてスコリモフスキ監督の凄さに感嘆した次第です。

この日私が観た映画は、監督自身の長編第一作目「身分証明書」。
学生時代に撮った映画(1964年)ということを念頭に見てください、とご本人の言葉が
あったように、起承転結を追う映画とは違った作品でした。若者の日常が
カットアップ的な展開で走っているので、私なんかが説明すること自体が無理なことではあります(笑)。

日本では来年公開予定という最新作「11 Minutes」(原題)も今からとても楽しみです。
監督自身によると「ストーリー展開について、始まりがあって終わりがある
従来の手法に飽き、実験的に作った。ワルシャワで様々な登場人物の11分間が、
最後にそれらが結びつく映画」というように紹介なさっていました。
来年もわくわくです!

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